公表利益と粉飾決算
今日、企業の決算報告は商法、証券取引法などによって法的規制が加えられています。
しかし、公表された企業利益が、実際の儲けをありのままに示していると思っているものは、少しでも実社会の事情につうじた人の間にはいないでしょう。
粉飾のない決算はないといえます。
損益計算書のうえでは、売上高からそれをあげるために要した費用が差し引かれ、その結果として利益が算出されるようになっています。
しかし、それは形式上、表面上のことで、実際の決算の過程は逆で、配当対策、税金対策、消費者対策、労働組合対策などから、あらかじめ公表する利益の金額が決められ、それにうまく合うように売上高と費用金額が調節されているのが実態なのです。
企業経理の世界では、こうした決算のやり方を「逆算法」と呼んでいます。
儲かりすぎた企業は、儲けをありのままに発表すると、消費者から儲けすぎを追及され、労働者からも賃上げを要求されることになるので、できるだけ控え目な金額に、これを圧縮して公表します。
つまり利益隠しです。
反対に、赤字や利益の落ち込んだ企業では、株価の下落をおさえたり、銀行の信用を維持するために、実際よりも利益を水増しして公表することが行なわれます。