薬によるアレルギー

クスリのアレルギーは、同じような作用をもっているクスリでも、化学構造がまったく違っていれば、起こらないのが普通です。


たとえば、下熱剤のうち、スルピリンにアレルギーをもっている人は、たいていアミノピリンでも起こします。


これは両方のクスリが、体のなかで同じものにかわるからです。


しかし、これらとまったく化学構造が違っているアスピリンでは、起こらないのが普通です。


アレルギーを起こすクスリと、起こさないクスリとを、自分でよく知っていればいいのです。


たとえばスルピリンにアレルギーをもっている人は、熱のあるときはアスピリンをのめばよいので、一概に感冒下熱剤はだめなのだとあきらめるのは早いのです。


しかし、どうしてもクスリを使わなければならないときもあるでしょう。


アレルギーのあるクスリは、絶対に使ってはいけないかというと、これはむずかしい問題です。


もとの病気が重い病気で、そのクスリが絶対に必要だとすると、ショックのような危険なアレルギーでなければ、注意して使わざるをえません。

アレルギー体質のある人

クスリのアレルギーを起こす人は、1つのクスリだけではなく、たくさんの種類のクスリに対しアレルギーを起こす場合があります。


また、このような人は、アレルギーを起こしやすい遺伝的家系に属していることが多く、クスリ以外のものに対しても、じんましん、ぜんそく、アレルギー性鼻炎などの病気をもっていることが多いものです。


アレルギー素質のある人は、クスリの使用にはとくに注意すべきでしょう。


文明の進歩とともに、使うクスリの種類も増してきて、これに対するアレルギーを起こす人たちが増えてきています。


クスリを過信せず、必要以外のクスリは、できるだけ使わないという心がけがたいせつです。


いざ病気というとき、とくに重症の病気で、そのクスリが絶対に必要というときに、アレルギーのため使えないことになっては悲劇です。


これと同時に、ふだんから自分がどのクスリに対してアレルギーをもっているかをよく知っておくことが必要です。

ロックンロールとは? その11

『アメリカン・バンドスタンド』には、実際にシンガーが出演して自分のヒット曲を披露することも多かったのですが、大方の場合、彼らはレコードの音に合わせて口を合わせていました。

いわゆるリップ・シンク(ロパク)です。

そのため

「やっぱりロックンロールの連中はごまかしている。レコードではうまく歌えても生ではまともに歌えないんだ。そんなもの音楽じゃない」

という大人たちの批判が相次いでしまいます。

が、この指摘も基本的には的外れ。

ロックンロールにとってオリジナルはあくまでもレコード。石塚孝一氏によると、実際の番組に登場してそれを再演するシンガーたちは、生で演奏していようが、ロパクしていようが、オリジナルであるレコードを自ら模倣していただけ。

この成り立ちを理解できているかどうかは、ロックンロールを楽しむ上で実はかなり重要なことです。

ロックンロールとは? その10

あくまでもレコードというメディアを通して完成品が作られるロックンロールの場合、それを他の歌手が真似して歌うことはほとんど無意味、無価値でした。

エルヴィス・プレスリーの「ジェイルハウス・ロック(監獄ロック)」はエルヴィスが歌っていなければ意味がなかったし、それもレコードに記録されたドライヴ感あふれるサウンドにこそ最高の価値があったんです。

だから、前述したような、架空のダンス・ホールからの実況的な古いDJスタイルが姿を消し、アラン・フリードに代表される、レコードをレコードとしてかけながらスピード感に満ちたトークを聞かせるラジオ番組が人気を獲得。

そして、すべてレコードでその週の人気曲を発表する『アメリカン・トップ40』のようなヒット・パレード番組が登場。

さらに、テレビでもレコードをかけながらティーンエイジャーたちが踊りまくる様子をオンエアする『アメリカン・バンドスタンド』のような番組が大当たりしました。

ロックンロールとは? その9

かつてのポピュラー音楽は、まず楽譜として世の中に足を踏み出し、主にブロードウェイの舞台や、ナイトクラブでの生演奏によって一般の人々のもとへと広まっていきました。

もちろんすでにレコードはあったし、レコードをかけるラジオの音楽番組も人気を博してはいたけれど、そうした番組にしてもあくまで生演奏の現場を再現するような作りになっていることが多かったんです。

往年のDJたちは番組自体を架空のダンス・ホールから放送しているように描写し、曲をかけました。

あるいは、これはテレビ番組だが、『ザ・ヒット・パレード』という人気プログラムでは、毎週毎週、その時点での人気曲を番組のレギュラー歌手たちがフル・バンドをバックに生で歌っていました。

けれども、これらの番組はロックンロールの隆盛とともに姿を消します。

ロックンロールとは? その8

1954年以降、RCAを筆頭とするメジャー・レコード会社がラジオ局のDJに渡すテスト盤がすべて45回転ドーナツ盤となり、それをキッカケに、まるで80年代、CDがアナログ盤を一気に過去の遺物にしてしまったのと同じような勢いで78回転SPは忘れられた存在になっていきました。

自分で買えるようになれば、もはや子供たちの天下。

1950年代半ばといえば、戦後のベビー・ブームの中で生まれた子供たちがティーンエイジャーに成長したころ。

使えるお金もふんだんになっています。

ティーンエイジャーがレコード市場の最高のお得意様の位置につき、レコード会社も大人向けのポップ・
ミュージックやジャズ以上の情熱を持ってロックンロールのレコードを生産するようになっていきました。

45回転ドーナツ盤、そして前述したラジオ。

主にこのふたつのメディアと呼応しながらロックンロールという音楽は育っていったんです。

つまり、根っからの間接情報文化。

ロックンロールはメディアを通してはじめて成立するポップこミュージックとして誕生し、成長してきたわけですね。

ロックンロールとは? その7

LPやEPは、実際のところもっと早い時期に誕生していました。

コロムビア・レコードを通じて33回転LPが発売になったのは1948年、RCAビクターから45回転EPが発売されたのは翌49年。

当初この両方式は、最近の例で言えばビデオのべータとVHSのようなものだったらしく、お互いの回転数の違いが消費者をとまどわせたうえ、それまでの78回転SPのコレクションが価値を失うのではないかという疑念がマーケットを覆っていたため、なかなか普及しませんでした。

が、やがてコロムビア、RCA両社がそれぞれの方式に興味を示すようになり、さらに33回転、45回転、両方のレコードをかけられるプレーヤーも登場。

SPに代わる夢のニュー・メディアにがぜん注目が集まり始めます。

この新方式のレコード盤は、割れにくく、軽く、扱いやすかった。

それとともに、特に45回転ドーナツ盤にはもうひとつ、大きな利点がありました。

それは、大量生産がしやすかったこと。

大量生産できるから安くなる。安くなれば子供も買える。大量頒布が可能になる・・。

レコードが大人の嗜好品から子供の楽しみへと裾野を広げ、それとともにロックンロールという新種の音楽に子供たちが群がるようになったんですね。

ロックンロールとは? その6

とはいうものの、実際にレコードが一般化して楽しまれるようになったのはロックンロール誕生以前のこと。

それはSPと呼ばれる、78回転の、割れやすくて重い盤でしたが・・。

SPによってクラシックも、ジャズも、ロックンロール以前のポピュラー音楽も、ようやくそのサウンド全体がひとつの作品として認められる形で流通するようになりました。

この曲はこの歌手のこの時代のヴァージョンがいちばんいい・・・とか。

そんな価値基準は、瞬間瞬間の音をまるごと記録できるレコードというメディアの誕生によってようやく可能になったわけですね。

でも、もうひとつのポイント。

そんな夢のような音楽メディアであるSP盤が、基本的には非常に高価な、大人の娯楽品だったということ。

再生装置も含めて、ひどく高価でした。

当然、子供には手の出せる商品ではなかったんです。

それが、ちょうどロックンロールの誕生と時を同じくして、45回転EPレコード、つまりいわゆるドーナツ盤という新メディアが一般化しはじめます。

ロックンロールとは? その5

なかなか核心をついた指摘ですよね。

特に、現象的な意味で大きなポイントとなっているのが、(1)と(2)という楽器の編成的な問題と、(5)の流通形態の問題。

気楽に、誰もがあまり練習を積むことなく音が出せる楽器をメインとする、小人数で十分にまかなえるバンド編成が確立したことで、アマチュア的な、ゲリラ的なミュージシャンが次々と誕生する下地ができあがりました。

これがロックンロールの発展に大きく貢献したことは言うまでもないですよね。

そして流通。

かつてレコードというメディアが】般化するまではヒット・ソングは楽譜として世の中に出まわりました。

それしか手段がなかったわけですが、つまり歌詞とメロディそのものが流通していたんです。

レコードが一般化して、それまでの時代ともっとも変わった点は、流通する情報が歌詞やメロディのみではなく、それをとりまくサウンド全体になったこと。

この違いは大きいですね。

ロックンロールとは? その4

(1)ブルースやカントリーの基本的な楽器のひとつであるギターが、ピアノに代わってヴォーカルの伴奏楽器として大きな役割を果たすようになった点。

エレクトリック・ギターが多用されるようになったこともポイント。

(2)電気によってアンプリファイズされた小編成のコンボが、木管楽器、金管楽器、ストリングスを含む大オーケストラの代わりに活躍するようになった点。

(3)どんなレコードを作るかという決定権が、大レコード会社やA&R会社の重役たち、およびプロードウェイやハリウッドの音楽出版社の手を離れ、独立プロデューサーの手に移った点。

(4)32小節でーコーラス(AABA)といった既存のポピュラー音楽のパターンが崩れ、曲の長さを変えたり、気ままなフィルを入れたり、テンポを変えたり、半端な小節数のパターンが現われた点。

(5)印刷された楽譜による音楽の流通が鳴りをひそめ、代わりに録音されたレコード盤によって音楽が広まるようになった点。

(6)若者による若者のための音楽文化でありながら、若者以外にも広く受け入れられた点。

(7)ヨーロッパではなく、アメリカの黒人文化に起源を持つ音楽である点。

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